【はじめての Databricks】金融取引データから異常検知 #5 リモデル/モデル比較

はじめに

2つ目のモデルを作成、mlflow で1つ目モデルと比較するところまでを行います。

連絡目次

  1. 導入/環境設定
  2. Collaborative Notebook でデータ可視化
  3. Anomaly Detector をデータ探索ツールとして使ってみる
  4. 1つ目のモデル構築 (データの偏り 未考慮)
  5. 2つ目のモデル構築 (データの偏り 考慮) → 本稿

データセットの分割

1つ目のモデルでは学習に用いるデータセットに偏りがありました。今回はこの課題を解消できるように Train データセットをサンプリングします。

Total count: 5090311
Fraud cases count: 6610
Proportion of fraud cases: 0.0012985454130405784
Balanced training dataset count: 13252

中身を見てみます。通常取引/不正取引でおおよそ半々になっていますね。

image.png

パイプライン修正

バランスが取れたデータセットをモデル学習に利用できるので、今回の評価指標は evaluatorAUC を用います。前記事で作成したパイプラインをそのまま利用します。

モデルの作成と分類木の可視化

モデルを構築し、樹形図を見てみます。

image.png

続いて特徴量の重要度を出力します。

image.png

orgDiff (取引実行者の口座残高差分) が重要と判断しているようです。樹形図・利用している特徴量ともに、前回作成したモデルとは全く違いますね。

評価・メトリクスの保存

前回と同様、評価のために必要な情報を導出していきます。

精度指標

PR train: 0.99069584320536
AUC train: 0.9948781444445811
PR test: 0.09312146366332584
AUC test: 0.9929393129548542

混合行列

image.png

メトリクス保存

これで一通りの処理が完了しました。

モデルの比較

前回のモデルと今回のモデルを比較していきます。
数種の評価指標であれば以下のように Notebook で出力・比較可能ですが、この方法では複数のモデルを比較しづらいです。

—model #1—
PR train: 0.847168047612724
AUC train: 0.8648916320839469
PR test: 0.8432895226140703
AUC test: 0.8633701428270321

—model #2—
PR train: 0.99069584320536
AUC train: 0.9948781444445811
PR test: 0.09312146366332584
AUC test: 0.9929393129548542

mlflow で比較

mlflow を用いると比較が容易です。workspace > users と進み、フラスコのアイコンをクリック。

2020-08-28_14h23_32.png

こちらの画面に遷移します。モデルを選択し、Compare をクリック。

image.png

X軸とY軸にそれぞれ PR Test と AUC Test を設定、散布図で比較します。
2020-08-28_14h46_37.png

各モデルの ID をクリックすると、モデルそのものや、パイプラインの実行パラメータ、保存しておいた図などにアクセス可能。試行錯誤していると情報が散逸しがちなのでとても便利です。

2020-08-28_15h09_07.png

今回のモデルは「疑わしきはすべて罰する」ようなロジックです。実際に不正検知をはじくフローに組み込むのであれば初回モデルが、当初の要件に沿うためには今回のモデルが合うかもしれません。(いずれも改良必須ですが)

まとめ

5回にわたって金融取引データを可視化、考察、モデル構築、リモデル、比較するところまでをご紹介しました。

本番環境では Azure Datafactory などのデータ関連サービス群を組み入れ、よりシンプルかつ柔軟性の高いアーキテクチャを設計すべきですが、アドホックに機械学習プロジェクトを始めたいという方は、まず Databricks を動かしながらデータ分析の流れを掴んでみてはいかがでしょうか?

参考リンク

datarbicks Resources (公式参考記事集)
Detecting Financial Fraud at Scale with Decision Trees and MLflow on Databricks
mlflow – track machine learning training runs
Synthetic Financial Datasets For Fraud Detection
Binary Classifier Evaluation made easy with HandySpark
notebook

この記事を書いた人

azure-recipe-user