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「Azure AI Studio」という新機能がMicrosoftの開発者向けイベントである「Build 2023」で発表されました。これは、企業が自社のデータを使用して、OpenAIの強力な言語モデル（例えばGPT-4やChatGPT）を活用したアプリケーションを開発できるツールです。
MicrosoftのAI開発プラットフォームであるAzure AI Studioは、企業が自社のデータを活用してカスタムAI体験を開発できる新たなツールを提供します。これはOpenAIのGPT-4などの強力な会話型AIモデルを自社のデータに基づいて適応させることが可能で、よりリッチなユーザー体験と組織固有の洞察を提供します。Azure AI Studioの利用者は、自分たちが所有またはアクセス権を持つ内部または外部のデータを統合することができます。
Azure AI Studioの概要
Azure AI Studioは、MicrosoftのクラウドベースのAI開発環境であり、開発者が自社のデータを活用してカスタムAI体験を作り出すことを可能にします。これは企業が自分自身の AI copilot を作成するための新たな能力を提供するもので、企業がOpenAIのChatGPTやGPT-4のようなAIモデルを自社のデータに組み合わせることを可能にします。
Azure AI Studioと既存のAzureサービスとの比較
Azure AI Studioは、Azureの既存のAIとMachine Learningサービスと補完的な関係にあります。Azure Machine Learningは、データサイエンティストがモデルを訓練、デプロイ、管理するための一元化された環境を提供します。それに対してAzure AI Studioは、そのようなモデルを活用して具体的なAI体験を作成するための追加的なツールを提供します。したがって、Azure AI Studioは既存のAzureサービスと統合され、それらを補完する形で働くことができます。
また、Azure AI StudioはAzure OpenAI Serviceと密接に統合されています。Azure OpenAI Serviceは、OpenAIの先進的なAIモデルを企業が利用できるようにするサービスで、Azure AI Studioはこのサービスの一部として機能します。このため、Azure AI Studioを使用することで、開発者はOpenAIのモデルを自分たちのアプリケーションに容易に統合することができます。
Azure AI StudioとAzure Machine Learningの統合
Azure AI Studioは、Azure Machine Learningと緊密に連携しています。これにより、開発者とデータサイエンティストは、自身のデータを活用して生成的AIを利用することができます。Azure Machine Learningの「Foundation models」では、Azure Machine Learning、Hugging Face Hub、Azure OpenAI Serviceからのモデルを微調整、評価、デプロイする能力を提供しており、これらすべてが統一されたモデルカタログ内で利用できます。また、Azure Machine Learningのプロンプトフローを利用すれば、言語モデルやデータソースへの接続を含むプロンプトワークフローを迅速に作成することができます。
Azure AI Studioを使用したカスタムAI体験の作成
Azure AI Studioでは、開発者がAzure OpenAI Serviceモデルを自分のデータに基づいて構築し、それを安全に行うことができます。これは顧客が自分自身の “copilot” を構築することを大幅に促進します。 “copilot” とは、AIを使用したチャットボットアプリで、セールスピッチの作成やプレゼンテーションのイメージ生成などのタスクを支援します。
Azure AI Studioでのcopilot作成プロセスは、GPT-4のような生成型AIモデルを選択することから始まります。次のステップは、copilotの役割と機能の基本的な説明を行う “meta-prompt” を与えることです。クラウドベースのストレージは、ユーザーとの会話を追跡し、適切な文脈と認識で応答するための AI copilot に追加することができます。プラグインは copilot を拡張し、それらを第三者のデータや他のサービスにアクセスできるようにします。
Azure AI Studioの主な特徴と利点
AIモデルの選択とカスタマイズ: Azure AI Studioでは、開発者はOpenAIのChatGPTやGPT-4などのモデルを選択し、自社のデータに基づいてカスタマイズすることができます。
データのセキュリティ: Azure AI Studioは、開発者が自社のデータを安全にAIモデルに組み込むことを可能にします。これにより、データのプライバシーとセキュリティを維持しながら、企業固有の洞察を提供するAI体験を作り出すことができます。
Azure AI Studioの拡張可能性とプラグイン
Azure AI Studioは、さまざまなプラグインを通じて拡張可能なプラットフォームを提供しています。これにより、Azure Cognitive Search、Azure SQL、Azure Cosmos DB、Microsoft Translator、Bing SearchなどのデータソースとAPIを簡単に統合し、アプリケーションの開発と消費を効率化することが可能になります。この機能は、AIアシスタントの能力を拡張し、その機能をカスタマイズするための柔軟性を提供します。例えば、開発者はクラウドベースのストレージを追加してユーザーとの会話を追跡し、適切な文脈と認識力で応答するAIアシスタントを構築することができます。
Azure AI Studioを使うには
2023年5月現在のところ、Azure AI Studioの具体的なリリース日や利用開始方法については明らかになっていません。
Azure AI Studioは、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceの一部として公開されており、開発者が自分たちのデータを使用してAIパワードの体験を作成できるようにします。このサービスは、開発者がOpenAIの大きな言語モデル（例えば、ChatGPTやGPT-4）を自分たちのデータに基づいて適応させ、自然言語ベースのアプリケーションインターフェースを介して情報を発見できるようにします1。
Azure AI Studioでは、開発者は”meta-prompt”を使用して、AI”copilot”の役割と機能を定義します。また、クラウドベースのストレージを追加して、ユーザーとの対話を追跡し、適切なコンテキストと認識で応答できます。プラグインを使用すると、”copilot”がサードパーティのデータや他のサービスにアクセスできるようになります2。
さらに、高ボリュームの顧客のための容量が強化されています。新機能であるProvisioned Throughput SKUは、Azure OpenAI Serviceの顧客が毎月または年間ベースでモデル処理容量を予約し、デプロイできるようにします。
まとめ
Azure AI Studioの魅力は、開発者が独自の「AI Copilot」を構築できる点にあります。AI Copilotは、例えば販売促進文の作成やプレゼンテーション用の画像生成など、特定のタスクを支援するAIベースのチャットボットアプリのことを指します。Azure AI Studioを使用すると、企業は自社の専有データを活用してこれらのAI Copilotを作成でき、これにより自社固有の業務フローにより適したAIアシスタントを設計することが可能になります。
さらに、Azure AI Studioは、企業がOpenAIのモデルを自社のデータに適用することを可能にします。これにより、企業は自社の組織ポリシーとアクセス権を遵守しながら、セキュリティ、データポリシー、ドキュメントランキングなどを妥協することなく、自社のデータにOpenAIのモデルを活用できます。
また、MicrosoftはAzure OpenAI Serviceの使用をさらに促進するために、高ボリュームの顧客向けに容量を向上させるアップデートも発表しています。新機能「Provisioned Throughput SKU」では、Azure OpenAI Serviceの顧客が月次または年次ベースでモデル処理容量を予約および展開することができます。顧客は「Provisioned Throughput Units」（PTUs）を購入して、OpenAIのモデル（GPT-3.5-TurboやGPT-4など）を予約処理容量とともにデプロイすることができます。
これらの新機能とアップデートは、Azureが開発者と企業がAIを安全かつ効果的に活用するためのプラットフォームとしての地位を強化することでしょう。
