はじめに
Azure DP-900(Microsoft Azure Data Fundamentals)は、データの基礎知識を問うMicrosoft公式資格です。多くの方が学習の第一歩としてMicrosoft Learnを活用しますが、専門用語が多く、初心者には難しく感じることも少なくありません。
そこで、ChatGPTを活用して「自分だけの教科書」と「オリジナル問題集」を作成し、効率的に学習を進めた体験を紹介します。
1. Microsoft Learnの内容を要約・整理してもらう
DP-900の学習では、まずMicrosoft Learnの公式教材を参考にします12。
しかし、内容が網羅的である反面、専門用語や抽象的な説明が多く、初学者にはハードルが高いと感じました。
そこでChatGPTに以下のようなプロンプトで解説してもらいました。
以下のMicrosoft Learnのドキュメントについて、内容を理解したいです。
特に難しいと思われる箇所や重要なポイントを、IT初心者にも理解できるように、専門用語を避けながら分かりやすく解説してください。
[ここにMicrosoft LearnのドキュメントURLを貼り付け]
このプロンプトを使うことで、以下のように専門用語が少なくなり、要点が整理された解説を得ることができました。
さらに、特に理解が難しいと感じたセクションや専門用語については、追加で以下のようなプロンプトを使いました。
以下のMicrosoft Learnのドキュメントを読んでいますが、「[難しいと感じるセクション名や見出し]」の部分(または「[分からない専門用語]」という言葉)がよく理解できません。
この部分について、具体的な例を挙げながら、より平易な言葉で説明してください。
想定読者は[あなたの知識レベルや状況、例: プログラミング経験はあるがAzureは初心者]です。
[ここにMicrosoft LearnのドキュメントURLを貼り付け]
このように、ChatGPTとの対話を通じてMicrosoft Learnの内容を一つひとつ丁寧に噛み砕いていくことで、理解しづらい箇所も自分の言葉で整理でき、学習効率が大幅に向上しました。
2. ChatGPTでオリジナル問題集を作成
知識の定着にはアウトプットが不可欠です。
ChatGPTにMicrosoft Learnや過去問の内容をもとに、HTML形式で解答できるオリジナル問題集を作成してもらいました12。
- 問題はJSON形式で生成
- 間違えた問題や苦手分野を重点的に出題するなどのカスタマイズも可能
- 問題数を増やしたり、間違えた箇所を繰り返し練習することで、効率的な復習が可能
- 分野ごとの得点率を可視化し、苦手分野を把握して重点対策
自分の弱点を可視化し、効率的に復習できるのが大きなメリットです。
3. サービスの理解を深める「たとえ話」プロンプト
どうしても理解しづらい概念があった場合は、
○○を身近な例で説明して
とChatGPTに依頼しました。
例えば「リレーショナルデータベース」を「図書館の本棚」に例えてもらうなど、既存の知識と結びつけることで、抽象的な内容もイメージしやすくなりました3。
また、過去に使ったことがあるMySQLとAzureのサービスを比較してもらうことで、自分の知識と紐づけて理解を深め、記憶の定着にも役立ちました。
4. 実際に使ったプロンプト例とその結果
ここでは実際に使ったプロンプトを紹介します。
例えば問題集を作成する際には、
json形式のファイルから問題を任意の数ランダムに出題し、解答後に点数と回答の解説を確認できるものを出力して
と依頼しました。
また以下のようなJSON形式のテンプレートを生成してもらい、それを元に問題を生成してもらいました。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 |
[ { "questionNumber": 1, "type": "問題形式", "skillCategory": "カテゴリ", "questionText": "ここに問題文を記述", "options": [ {"value": "選択肢1", "text": "選択肢1"}, {"value": "選択肢2", "text": "選択肢2"}, {"value": "選択肢3", "text": "選択肢3"}, {"value": "選択肢4", "text": "選択肢4"} ], "correctAnswer": "正解の回答", "explanation": "解説" } ] |
ポイント:
- 欲しい機能を一度に詰め込みすぎない
- ChatGPTとの対話の中で少しずつ要望を伝える
- 意図とずれた実装になった場合も修正しやすい
また教科書を作成する際には、問題のJSONファイルをアップロードし、
これらの問題対策となるような体系的な教科書をhtml形式で作成してください
と依頼しました。
すると以下のような教科書を生成することができました。
このようにプロンプトを工夫することで、より自分に合った教材や問題集を作成できました。
5. ChatGPTを使った学習メリット・デメリット
メリット
- 自分専用の教科書問題集を作れる
- 理解度や苦手分野に合わせて内容を調整できる
- 身近な例え話で理解を深められる
- 苦手分野を重点的に練習できる
デメリット
一見、手間に思えるかもしれませんが、実はこの 「自分で調べて確認する」プロセスこそが、学習効果を大きく高める鍵となります。ChatGPTの解説をヒントに疑問点を持ち、改めて公式ドキュメントの原文にあたることで、「分かったつもり」を防ぎ、情報の正誤を見抜きながら、より深く正確な理解に至ることができました。
6. DP-900試験対策としてのChatGPT活用まとめ
このような学習法を実践した結果、公式模試のスコアも着実に向上し、DP-900本試験への自信がつきました。
また、今の自分の立ち位置を把握できたことで、学習計画を立てる際にも大いに役立ちました。
AIを活用することで、学習の効率化と理解の深化を両立できることを実感しています。
今後も資格試験や新しい分野の学習に、ChatGPTを積極的に活用していきたいと思います。
おわりに
AIを活用した学習は、今後ますます一般的になっていくと感じています。
自分に合った学び方を模索し、効率的かつ楽しくスキルアップを目指しましょう。
この記事が、DP-900や他の資格試験に挑戦する方の参考になれば幸いです。