このエントリはQiita Advent Calendar 2017 Microsoft Azureサービスいちから紹介 の8日目です。
ナレッジコミュニケーションの大柳です(@oyngtmhr)。
8日目はIoT Centralです。12月5日にパブリック・プレビューが開始されました。
https://japan.zdnet.com/article/35111485/
Azureサービスではないですが、IoT CentralはAzure IoT SuiteやAzure IoT Hubとも連携し、パブリック・プレビュー版を触ってみたところ面白かったので紹介していきます。
概要
IoT CentralはフルマネージドのIoT SaaSです。
IoT機器からの情報収集、蓄積、可視化、アラートなどの機能をSaaSとして提供してくれます。
Azure IoT Hubは、IoT機器がMQTT、HTTPS、AMPQPSなどのプロトコル通信するためのインフラとや端末認証基盤を提供し、Azure IoT SuiteはIoTアプリケーションのバックエンドを開発のためのカスタマイズや管理提供するPaaSでIoT Centralはこれらと連携します。
IoT Centralでは以下のような機能が提供されます。
・IoT機器の接続とデータの収集
・ダッシュボード上でのデータの可視化、分析
・ルールを設定して設定した条件が満たされるとこれをトリガーに、アラート通知などのアクションを実行
さらに詳しいことは以下のサイトで紹介されています。(英語)
https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoft-iot-central/overview-iot-central
パブリック・プレビュー版を使ってみた
パブリック・プレビューに登録して、基本機能を触ってみたので紹介します。
https://www.microsoft.com/en-us/iot-central/get-started/ からサインインします。
サインインすると、「Create Application」のフォームが表示されます。
アプリケーション名、利用するディレクトリ、サブスクリプション、リソースグループ、リージョンを入力します。
アプリケーションテンプレートを選択します。とりあえず試すだけなら Custom Application、Raspberry Piを実際につなぐなどSDKを使いたい場合は Sample Devkits を選ぶといいようです。今回は Custom Application を選択します。
支払プランを選びます。30日の無料枠があるのでこちらを選択します。通常だと月500ドルとなります。有償の場合には試してみるには少しお高いので、別プランを用意して使いやすくしてもらえるとよいです。[Create]を押すとアプリケーションの作成が開始されます。
アプリケーションのダッシュボード画面から Create Device Templateを選択します。
デバイステンプレート名を入力します。
表示名、単位などを入力していきます。
デバイスが作成され、何かの値が取れていることが確認できます。今回は、シミュレートされた仮想の機器のテレメトリー値が表示されています。
なお、グラフのタイプはLine、Smooth、Step、Scatterの表示が選べます。
[Rules]を選択してみます。現状ではTelemetryのみ利用可能です。機器のテレメトリーを監視してアクションを起こすことができます。今回はこれを選びます。
現状では、Coming Soonになっていますが、機器の状態変化、イベント、接続断を検知できるイベントも今後利用可能となるようです。
次の画面で閾値と条件(以上、以下など)を入力します。
アクションも設定できます。現在使えるのはEmailのみです。今後はWebhook、SMS、SAPやSalesforceなど外部システム連携、Logic Appsの呼び出し、Azure Functionsの呼び出し、Dynamics 365との連携も予定されているようです。
Emailを選ぶと、通知先のメールアドレスを指定できます。閾値、通知先とも設定してみましたが、メールは来ませんでした。シミュレータの場合は何か制約があるのかもしれません。
料金
・30日間の無料お試し期間の場合は、10台までの機器、100MBまでのデータ転送が可能です。
・有償プランの場合は、月500ドルの固定料金で100台の機器、1000MBのデータ転送が可能です。
・デバイスを追加する場合は1台0.5ドル/月、10MBのデータ転送がついてきます。
・追加のデータ転送は、1GBあたり30ドルです。
まとめ
実機での接続は試せていませんが、接続から可視化、分析まで一貫してIoT Central上で行えるので、IoTの初期構築やその後の管理の手間がかなり省けそうで、魅力あるサービスです。Raspberry Piなど実機を使って今後検証したいと思います。