効果的なデータ活用への道: Azure OpenAI ServiceとCosmos DBを組み合わせた企業内知識管理の実践

近年、AI技術の進化は目覚ましいものがあります。特に、自然言語処理(NLP)分野においては、OpenAIのGPTシリーズなどの強力なモデルが登場し、企業や個人がAIを活用したサービスを展開する機会が増えています。私たちの会社でも、Microsoft Teams内にGPTを組み込み、社員が様々な質問や相談をすることができるようになりました。これにより、日常業務の効率化や知識の共有が進んでいます。

しかし、せっかくGPTとのやり取りで得られたデータがたくさんあるのに、それらをただ放置しているのはもったいないと感じていました。そこで、ChatGPTと相談しながら、これらのデータを活用して社員のスキルや知識を可視化し、さらなる業務効率化や成長を促す方法を探求してみることにしました。

この記事では、私たちがどのようにGPTとのやり取りデータを活用しようと考え、どんな課題に直面し、それをどう解決していったかを紹介します。また、実際にAzureのCosmos DBを使ったデータモデルや実装例もご紹介します。ChatGPTと協力して問題解決に取り組んだ経験から、データ活用のアイデアや実装方法について学んでいただければ幸いです。

背景と目的

私たちの会社では、業務効率化や知識共有のために、Microsoft Teams内にGPTを組み込むことで、社員が様々な質問や相談を簡単に行えるようになりました。GPTは、技術的な問題からマネジメントに関する質問まで幅広いトピックに対応できるため、社員のニーズに応じたサポートが可能になりました。

しかしこの過程で、GPTとのやり取りで得られたデータが大量に蓄積されることに気付きました。これらのデータは、社員の関心事や必要とする知識を示す貴重な情報源となります。そこで、このデータを活用することで、社員同士のスキルの距離や知識の距離を可視化し、業務効率化や個人の成長を促す方法を検討し始めました。

具体的には、以下のような目標を達成する方法を探りました。

  1. 社員ごとに必要としている知識を特定し、個々のニーズに合った研修やサポートを提供する。
  2. 社員間のスキルの距離を理解し、スキルを持っている社員とそれを必要としている社員をマッチングさせることで、効果的な知識共有を促す。
  3. 社員と知識の距離を可視化し、知識の獲得が容易になるような環境を整える。

このような目標を達成するために、GPTとのやり取りデータを活用してどのような方法が考えられるのか、どんな課題があるのか、そしてそれをどのように解決するかを探る過程で、ChatGPTとの相談が大変役立ちました。

データ活用のアイデア: 社員の知識とスキルの可視化

データを活用して達成しようとする目標を具体的に示すことで、読者の興味を引きます。以下に、データ活用のアイデアを紹介します。

  1. 社員ごとの必要としている知識の特定: GPTとのやり取りデータを分析することで、社員がどのようなトピックに関心があるのか、どんな質問をしているのかを把握します。これにより、個々の社員が必要としている知識を特定し、研修やサポートの提供が可能になります。
  2. スキルの距離の可視化: 社員がGPTに質問した内容から、それぞれのスキルレベルや専門分野を推定します。これにより、社員間のスキルの距離を可視化し、効果的な知識共有を促すことができます。
  3. 知識の距離の可視化: 社員がGPTに対して繰り返し質問しているトピックや、多くの社員から同じような質問が寄せられているトピックを特定します。これにより、組織全体で知識の距離が広がっている分野を把握し、知識獲得のための環境整備や資料整備を行うことができます。
  4. 社員のサポートネットワーク構築: スキルの距離や知識の距離の情報をもとに、社員同士のサポートネットワークを構築します。例えば、ある社員が特定のスキルを持っていることが分かれば、そのスキルを必要としている他の社員と繋げることができます。

これらのアイデアを実現するためには、GPTとのやり取りデータを適切に管理し、分析する仕組みが必要です。そこで、AzureのCosmos DBを使ってデータモデルを設計し、データの活用を進めていくことにしました。

題と解決策: データ活用の実践と学び

データ活用を進める中で、実際に遭遇した課題とそれらをどのように解決したか、課題と解決策を紹介します。

  1. 課題: 質問のセッション管理GPTとのやり取りが1回の質問と回答だけでなく、複数回のやり取りで構成される場合がありました。そのため、それらを適切に関連付けることが課題となりました。
    解決策: Microsoft TeamsのMessage IDを利用して、質問と回答のセッションを管理しました。これにより、複数回のやり取りも適切に関連付けることができ、データ分析が容易になりました。
  2. 課題: Cosmos DBのデータモデル設計社員の情報やGPTとのやり取りデータを効果的に管理するためには、適切なデータモデルを設計することが重要です。しかし、Cosmos DBのデータモデル設計には慣れが必要であり、最適な構造を見つけるのに苦労しました。
    解決策: ChatGPTと相談しながら、Cosmos DBのCore(SQL) APIを利用して、ユーザー情報、質問情報、回答情報を効果的に管理できるデータモデルを設計しました。これにより、データの登録や検索が容易になり、活用がスムーズに進められました。
  3. 課題: データの可視化データ活用の目標を達成するためには、データを分析し可視化することが必要です。しかし、どのように可視化すれば効果的かを見つけるのは難しい場合がありました。
    解決策: Power BIを利用して、データを可視化しました。Power BIの豊富なグラフやチャートを使って、社員の知識やスキルの距離を分かりやすく表示することができました。これにより、データ活用の目標を具体的に評価し、改善策を検討することが可能になりました。

このような課題に対応できるのが、Cosmos DBの柔軟性が大きな魅力の1つです。データモデルの設計やスキーマの変更が容易であるため、データ活用の過程で新たな課題や要件が発生しても、迅速かつ効率的に対応することができます。この柔軟性が、データ活用プロジェクトを成功に導く重要な要素となりました。

ChatGPTとの対話: データ活用の相談

記事の途中で実際にChatGPTとのやり取りを挿入することで、読者に対話型AIの利用方法や活用の幅を示すことができます。以下に、データ活用に関するChatGPTとの対話例を紹介します。

実装例: Cosmos DBとAzureサービス

この記事では、Cosmos DBやAzureサービスを使ったデータ活用の実装例を簡単に紹介します。次の記事で詳細な実装方法を解説する予定ですが、ここでは主要な要素だけを押さえた紹介を行います。

  1. データモデル: Cosmos DBを用いて、ユーザー情報、質問情報、回答情報などのドキュメントを作成し、適切なパーティションキーを設定します。
  2. Azure Function: OpenAI APIとのやり取りやデータの保存・取得を行うため、Azure Functionを利用してサーバーレスな環境を構築します。
  3. コード: Pythonを用いてOpenAI APIとの通信やCosmos DBへのデータの登録・取得を行うスクリプトを作成し、Azure Functionで実行します。
  4. 可視化: Power BIを利用して、Cosmos DBに格納されたデータを分析し、知識やスキルの距離などのインサイトを得ることができます。

このような構成で、データ活用のプロジェクトを進めることができます。次の記事では、これらの要素を詳しく解説し、具体的な実装方法をご紹介します。

まとめ: データ活用の可能性を広げる

本記事では、OpenAI APIとCosmos DBを連携させて、企業内でのデータ活用を検討し、実装に向けた取り組みを紹介しました。データ活用を通じて、社員ごとの必要としている知識やスキルの距離、知識の距離などを可視化し、業務の効率化や成果向上につなげることができます。

今後は、更にデータの活用範囲を広げ、AIと連携させることで、より効果的なデータ活用が可能になるでしょう。また、Cosmos DBの柔軟性やスケーラビリティを活かし、データ活用プロジェクトが進化するにつれてデータベースを適切に拡張・変更できる点も大きな魅力です。

これらの取り組みを通じて、企業内でのデータ活用が一層進み、組織全体の成長や競争力向上に繋がることを期待しています。今回の記事が、データ活用に興味を持つ皆様の一助となれば幸いです。

この記事を書いた人

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