【Databricks Data+AI Summit 2022】Databricksが航空業界で破壊的なデジタルトランスフォーメーションを推進している方法

2022/6/27(月)~2022/6/30(木)の4日間、サンフランシスコと Web 会場でData+AI Summit 2022が開催されました!

Data+AI Summit 2022 で発表された Databricks 最新情報をお知らせします。

■公式URL

https://databricks.com

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Data+AI Summit 2022 とは?

Databricksは、データ収集、加工、AI・データ分析、可視化までクラウド上でのデータ利活用に必要なあらゆる機能を備えたデータ分析統合プラットフォームを提供する会社です。

そのDatabricks 社が主催する世界最大規模のデータ&AIのカンファレンスである、Data+AI Summit 2022が開催されました!

今年は、Databricks のユースケースや、事例、新機能などに関する情報が発表されています。

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セッション 概要

Databricksが航空業界で破壊的なデジタルトランスフォーメーションを推進している方法の内容を翻訳し、まとめました。

・航空業界におけるモデル構築の課題
・Databricksを利用してどのようにアプローチしたか
・問題がどのように解決されたか

セッション 詳細

航空業界におけるモデル構築の課題

絡み合う情報が多い

航空業界では様々な種類の情報が混ざり合っています。
例えば航空機の遅延や混乱を予測したいとなった場合、どのような情報が必要になるでしょうか。

天気は要素の一つになりえると思います。しかしそれだけではなく、風の情報であったり、他の航空機との兼ね合いもあるなどモデルを構築する際の構成要素が複雑になることは大きな課題となります。

突然予期せぬことが起こるなどの不確定要素も絡み合うため、そのような情報をどのようにモデルに解釈させるかを考えていかないといけません。

リアルタイムデータの取得

航空業界にとって、何かを予測して意思決定をする際にリアルタイムデータは必須となります。

すべての航空機が今どこにいるのか、乗客は誰なのかを把握したうえで瞬時に最適な飛行するルートを決定するなどの判断を行う必要があります。
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さらに航空機と乗客の位置がわかればいいという単純な問題でもありません。

例えばコストを削減したいなどの目的があった場合、予測を行って最善な意思決定をするとして、本当に大切なのは航空機の手配であったり、パイロットの手配をどうすればよいかなど正しい洞察ができるかになってくるからです。

正しいデータと正しい洞察によって、掲げているビジョンを達成できるかが重要となってきます。

Databricksを利用してどのようにアプローチしたか

需要予測によるチケット価格の決定

7日前と3か月前にチケットを買う場合、7日前に買う方が値段が高いことは明らかです。

しかし、チケットの価格変動をチケットの買うタイミングだけでなく、わずかな需要の変化からチケット価格を変動させ売り上げを向上させるアプローチを行いました。

チケットの価格を2倍3倍とするとさすがに需要は大きく下がってしまいますが、数ユーロの値上げであれば購入してくれる人はいるという事実があり、需要があることが考えられます。

また、価格を上げるだけでなく何%の割引を行うと売り上げが何%伸びるなどの情報を用いて最適な価格設定を強化学習によって行っていきました。

画像の左側で強化学習について触れられています。
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リアルタイムデータの使用とwhat if モデリング

飛行機は3分に1回飛び立っている状態であり、膨大なデータから意思決定をすばやく行わないといけません。
しかし、実際は1サイクルの作業に15分から20分ほどかかる状態となります。

これでは新しいデータを見る前に5機の飛行機が既に飛び立ってしまう状態となります。
そこでリアルタイムデータを使用し、Databricksに移行を行いました。

さらにモデリングを行う際にwhat ifモデリングを導入したことです。
what ifモデリングとは発生する可能性の低い、または頻度が少ない事象に対して、もしも起こったときにも対応できるようなモデリングのことを指します。

例えば飛行機が鳥にぶつかってしまったであるとか、職員が急に病欠してしまった、このようなイレギュラーな場合でも混乱は起こる可能性があります。

そのような場合にも、正確かつ迅速なモデリングが可能になれば混乱が起こったとしても復旧が可能になります。

画像の右側にwhat if モデリングについて触れられています。
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問題がどのように解決されたか

チケットのコスト増

需要からチケット価格を決定し、飛行機に空席を作らず、燃料も無駄にせず、満席であれば機数を増やすのかなどの最善のアプローチをとることに成功しました。

結果として乗客一人当たりのコストを50~60%ほど上げることを実現しております。

コストの節約

例えば乗客の乗らない飛行機を移動させないといけないとなった場合、誰も乗客がいないにも関わらず整備のための移動に管理者がコストを負担しないといけません。これは負担が大きいものになります。

また、機内で販売するサンドウィッチなどの商品も朝に詰め込まれた状態から1日で売れ切らないと廃棄物になってしまいます。
これも航空会社側の大きな負担です。

こうした問題をモデルを利用し、混乱の回避や食料の供給量を予測することによって、避けることができるようになりました。

セッション まとめ

このセッションでは航空会社側のコストの問題が中心にはなってしまいましたが、燃料や食料の量に対する最適化を行うことによって収益だけでなく地球全体で考えても環境を考慮したアプローチとなります。

コロナウイルスの状況もあり、航空業界は難しい局面に立たされている状態ではありますが、問題を乗り越えるためにも学び、成長し、変化にこれからも対応していかなければならないでしょう。

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