Data + AI Summit 2025 – Key Note 前日レポート

1. はじめに

Databricks の年間最大イベント「Data + AI Summit 2025」が開催中です!2025 年 6 月 9 日(月)〜12 日(木)の 4 日間にわたり、サンフランシスコの Moscone Center にて行われており、今年も過去最大規模で開催されています。ハンズオン研修や基調講演、最新プロダクトの展示まで、「Data Intelligence for All」をテーマに、最新潮流を一気に体験できる場として、世界中から参加者が集結しています。

現地にて撮影しました!

この記事では明日に控えた Keynote に向けて、直近のアップデートなどから”来そう”なテーマと Databricks がこのイベントを通して伝えようとする Data と AI の最新トレンドについてご紹介します。皆さんが Keynote を視聴する際のヒントになれば幸いです。

2.キーノートで“来そう”な発表

 

予想トピック 直近の気になる動き
Agent Bricks プレビュー

Knowledge Assistant/Information Extraction など 4 種のテンプレートを公開し、ノーコードで社内エージェントを構築可能

新ドキュメントが公開され Beta 表記で登場

Mosaic AI Vector Search GA

10–20倍高速インデックス化・10 億ベクトル規模の RAG システムに最適化したエンドポイント

6 月リリースノートと GA ブログ

Unity Catalog Anywhere

マルチクラウド横断の統合ガバナンス機能が正式版として発表

クロスクラウド UC GA 発表ブログ

Lake Base Platform(?)

Neon 買収で実現するサーバーレス Postgres + Lakehouse の双方向アプリ基盤のロードマップ

Neon 買収プレスリリース & 解説記事

Lakeflow Connect 拡充

Salesforce ほか 100 + SaaS コネクタ GA で宣言型 ETL を強化

Lakeflow Connect GA ブログ

 

 

3. Data + AI Summit 2025 の 3 つの見どころ!

AI のためのデータガバナンス & セキュリティ ― Unity Catalog Anywhere で“ゼロコピー × ゼロトラスト”
Unity Catalog Anywhere の GA により、クロスクラウド統合ガバナンスが実装され、行・列レベル制御や暗号鍵分離(Multi-Key Protection)がオンプレ/マルチクラウドを問わず適用可能になります。5月に追加された Metric Views や Serverless Egress Control により、メトリクスの再利用とネットワークガードレールを一元管理が実現され、データをコピーせずに安全共有し、そのまま AI モデルに供給するワークフローが構築できるようになります。AI のためのデータガバナンスが Unity Catalog の機能追加を中心に “マネージドされた最適解” が出ると考えています。

 

Generative AI の民主化 — “誰でも RAG & LLMOps”

直近のアップデートでは Mosaic AI と Lakehouse が連携が更に強化され、データ取り込みからベクターストア、推論 API、モニタリングまでを単一基盤上で提供されるようになっています。また6月にリリースされた Mosaic AI Vector Search の GA 版は 10–20倍のインデックス高速化と 10 億ベクトル超のスケールがアナウンスされ、大規模文書の利用で懸念されていたベクトルデータ利用時のクラウドコストについても解決の選択肢になるのではないでしょうか? また、新たに発表された MLflow 3.0 によって生成 AI システムの課題になっていた運用指標の可視化も容易になることが予想され、個別最適化が必須な RAG システムがより民主化されるのではないでしょうか。

 

Agent Bricks — ノーコードで AI エージェントを量産
そして最大の目玉が Agent Bricks だと考えています。Knowledge Assistant や Information Extraction など、生成 AI 活用の代表的なシナリオがテンプレート化されており、接続先データと要件を入力するだけで、モデル選定・評価・ガードレール設定まで裏側で自動化されたエージェントを構築可能です。加えて、直近買収が発表された Neon のサーバーレス Postgres を組み合わせる Lake Base Platform 構想が実現すれば、大量のエージェントを瞬時にスケールさせながらデータ更新も双方向に行える“エージェント・ネイティブ”なデータ基盤が Databricks で完結するので・・そういった発表があると期待しています!エージェントとデータを統合できる Databricks の進化に期待が止まりません!

 

まとめ

長文となりましたが…開幕前時点の情報から読み取れるのは、Databricks が「Lakehouse × GenAI × エージェント」の三位一体を目指しているということです。「Data Intelligence for All」の世界観は、次のようなステップで進むと予想されます。

 

Unity Catalog Anywhere で企業レベルのガバナンスを担保し、

Mosaic AI 群で生成 AI の導入障壁を下げ、

Agent Bricks でエージェント開発も民主化していく

明日はこのような観点でリリースを追っていきたいと思います。

続報も熱を持ってお届けするので、ぜひご期待ください!

 


ナレッジコミュニケーションでは、Databricks Data + AI Summit 2025 開催にあわせてセッションレポートや、イベント情報を公開しております!

ぜひナレッジコミュニケーションDAIS2025 特設サイトからチェックしてみてください!

https://www.knowledgecommunication.jp/product/databricks-data-ai-summit-2025.html

この記事を書いた人

azure-recipe-user